007ジェームズ・ボンドの世界の英単語


2015年12月にジェームズ・ボンド24作品目となる『007スペクター』が日本で公開されます。『007スカイフォール』に引き続きサム・メンデスが監督を務めるとだけあり、アクション映画ファンはとても楽しみにしているのではないでしょうか。

また、2012年のロンドンオリンピックの開会式での忘れられない瞬間は、エリザベス女王が俳優ダニエル・クレイグにエスコートされてヘリコプターから飛び降りた瞬間です。イアン・フレミングの小説の登場人物が、世界中の9億人の聴衆にイギリスを代表するために選ばれたことは、世界中でどれほどボンドが愛されているかを示しているでしょう。

ボンド映画を見ることは、英語の勉強にも非常に役立ちますが、少しわかりにくい英語に遭遇することもあると思います。

そこで今回は、専門的なスパイ英語をもっと理解できるようになるために、映画に出てくる基本的な用語を10個ご紹介します!

1. Agent (名詞)

国家の秘密情報機関で働く人のことで、外国の政府やテロリストについての秘密の情報を収集します。ジェームズ・ボンドは、MI6の00セクションに所属する諜報員で、任務を遂行するためには、自分の裁量で殺人も行える許可証を持ったシークレットサービスのエリートです。

2. MI6 (Military Intelligence section 6の頭字語)

イギリス政府の機関で、国内治安や海外の諜報活動に関わる事柄を扱います。

1912年に結成され、1964年には正式にSecret Intelligence Service(秘密情報部)と名付けられました。ただMI6という名前は引き続き使われていて、ジェームズ・ボンドによって一般に広まりました。

映画にも何度か登場したMI6の本部ビルは、1999年に「ワールド・イズ・ノット・イナフ」で攻撃を受けますが、このことは「スカイフォール」でも重要な場面になっています。

3. Bug (名詞)

誰かが言っていることを、こっそり聴きとるための小さな機器のことです。1963年にジェームズ・ボンド2本目の映画「ロシアより愛をこめて」で初めて登場し、自分のホテルの部屋にとりつけられていた電話の盗聴器を、007が自ら探し出すシーンでbug detectorを使います。

4. Mole (名詞)

国家の安全保障と防衛に関する重要な地位に就いているスパイのことです。もう一つ、匿名で秘密情報を敵に売るという意味も持っています。

CIAで働いているフェリックス・ライターという登場人物はMI6のmoleで、「ドクター・ノオ」で初めてシリーズに登場したときから、ジェームズ・ボンドの任務を何度も手助けしています。

5. Villain (名詞)

ラテン語のvillaを基にした古期フランス語のvilleinという単語からきています。villainとは、邪悪な行動や目的が話の筋に重要な意味を持つ登場人物のことです。

すべてのボンド映画にはvillainと、それを支える数人の取り巻きが存在します。注目に値するvillainには、007が拷問される有名なシーンでボンドにしゃべらせようとして、「No Mr Bond, I expect you to die!」という忘れられないセリフを口にするゴールドフィンガーが挙げられます。

その他に傑出したvillainといえば、何度か映画に登場した白猫を撫でるので有名なブロフェルドや、1974年「黄金銃を持つ男」のスカラマンガ、そして「スカイフォール」でハビエル・バルデムが演じたラウル・シルヴァでしょう。

6. Henchman (名詞)

特に犯罪や暴力で貢献する準備が整っているような忠実な部下に対する、主に軽蔑的な表現です。ボンドの悪役にはいつも、邪悪な行いを遂行するためのsupporting henchmenがいて、たいてい独特な身体的特徴を持っています。中でも、鋼鉄におおわれた歯を持つジョーズ、ブードゥー教の妖術師バロン・サメディ、お洒落な小人のニック・ナックなどが有名です。

7. Girl (名詞)

Bond girlのgirlで、これは辞書には載っていませんが、触れないわけにはいかない ジェームズ・ボンドの女性への関心についての話題です。どんな人がボンドガールになるという決まったルールはないので、協力者や敵など、物語に重要な人物の場合と、単に見た目が魅力的なeye candyの場合があります。毎回違うボンドガールが登場しますが決してどの女性も愛することなく、任務が終了すればいつも去っていきます。

有名なボンドガールは、「ドクター・ノオ」でウルスラ・アンドレスが演じるビキニ姿でビーチを歩くシーンが不滅のハニー・ライダー、「ゴールドフィンガー」でオナー・ブラックマンが演じるプッシー・ガロア、「死ぬのは奴らだ」でジェーン・シーモアが演じるソリテア、「トゥモロー・ネバー・ダイ」でテリー・ハッチャーが演じるパリス・カーヴァー、「ダイ・アナザー・デイ」でハル・ベリーが演じるジンクスなどが挙げられます。

8. Innuendo (名詞)

ラテン語の「by nodding at」からきているinnuendoは、間接的な意見やほのめかしという意味で、主に挑発的、もしくは中傷的なものを指します。

口達者なジェームズ・ボンドは恋人の女性にinnuendoを使用することで名高く、特に60年代から70年代のボンド映画では、ほのめかしがきつすぎて、現代の基準では差別的表現になってしまう例も見つけることができます。

90年代にはピアース・ブロスナンが短いジョークを復活させましたが、ダニエル・クレイグはシリーズの中でも、もっとシリアスな路線を選んでいます。まだピンとこない人は、作品をぜひ見てみてください!

9. Gadget (名詞)

工夫に富んだ道具や装置のことで、ボンド映画では、任務の手助けをするためにアシスタントのQが手渡します。

Bond gadgetのよい例は、「ロシアより愛をこめて」で初めて007がQブランチから渡されたブリーフ・ケースです。一見無害に見える、変わりばえしないブリーフ・ケースですが、実際には、爆発する催涙ガスの容器、平たい投げナイフ、折り畳み式の狙撃銃と弾薬など、あらゆる種類の危険なもので一杯です!

10. Car (名詞)

主に二つの理由からボンド映画のもう一つの重要な要素となっている車。第一の要素は、とても魅力的でなくてはならないことです。シリーズ初期のジェームズ・ボンドの車の選択は、今ではクラシックカーになっている洗練されたイギリスの自動車工学の化身アストンマーチンです。

そしてシリーズ後期になると、ボンドは「私を愛したスパイ」で有名な水中用の車ロータスをおもちゃにしたり、BMWに乗ったり、その他にも様々な車に乗ります。

第二の要素は、Qブランチの特殊な防御機能が搭載されていることです。たぶん最も有名な改良は、「ゴールドフィンガー」でボンドのアストンマーチンDB5に搭載された射出座席ではないでしょうか。ただし、せり出し式の銃身と防弾装甲、回転式ナンバープレートはどれもごく普通の追加装備です。

これで皆さんもジェームズ・ボンドに出てくる英語はばっちりでしょうか?『007スペクター』の公開が待ちきれませんね!